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2014/4/19 1:30
日本経済新聞 電子版

 

自民党は貸金業者に対する金利規制の緩和を検討する。健全経営だと認可された貸金業者に限り、顧客から受け取れる金利の上限を現在の20%から、2010年まで適用していた29.2%に戻す方向だ。銀行融資を受けにくい中小零細企業などが、消費者金融から借り入れやすくする狙いがある。

 党財務金融部会の下に小委員会を近く立ち上げ、制度設計を詰める。他党にも賛同を呼びかけ、貸金業法改正案を今国会に提出、成立を目指す。多重債務が社会問題になった経緯もあり、規制緩和に慎重論も残っている。

 貸金業法は06年に改正し、10年6月までに貸金業者の上限金利は29.2%から20%に下がり、個人が借りられる総額も年収の3分の1までに制限した。悪質な業者の排除に効果があったが、個人事業主などから「決済など一時的な資金を調達しにくくなった」との声も出ていた。

 自民党が金利規制の緩和に傾いたのは、貸金業者がリスクに応じた利息を幅広く設定し、小口の資金需要に柔軟に対応できるようにするため。個人が借りられる総額を3分の1までとする総量規制についても業界が定める自主基準に沿って広げる案が浮上している。

 悪質業者を引き続き排除するため、各財務局による認可を受けた貸金業者に限り、金利規制を緩める仕組みを検討。純資産額や貸金業務取扱主任者の人数などの基準を政令で定める。顧客の返済能力の審査や、苦情や相談を受け付ける体制が整っていることも考慮する。

 多重債務者の問題が絡むだけに、貸金業法の再改正に慎重論もある。自民党は業界としてのカウンセリング体制強化を改正案に盛り込むとともに、地方自治体による対応を強化するため生活困窮者自立支援法の運用強化も進めていく方針だ。